沼への入り口。万年筆×青インクで書きまくる勉強を自分好みにカスタムする。(更新)
なぜ万年筆×青インクなのか?メリットとデメリット
青ペン書き殴り勉強法というものがある。青ペンで覚えたい内容をひたすら書いて回るという単純明快な勉強法で、数年前に書籍化もされていた。私は高校生の時からの万年筆ユーザーで、大学院入試の試験対策から現在まで、かれこれ10年ほど青色のインクと万年筆を使って勉強している。
(残念ながら私は大学受験の勉強はほとんどしておらず絵や手紙ばかり書いていて、受験勉強に万年筆を使用することはついぞなかったが、受験生にもおすすめ。万年筆効果か、大学院には合格したし、卒業もできた。)
万年筆×青インクで勉強するメリット
・インクの減りが楽しく、勉強用に専用のボトルを決めると使用量がわかって二度楽しい
・筆記感が滑らかで楽しい
・疲れにくい
・書くことが楽しくなるので、勉強が嫌な気持ちを書きたい気持ちが勝る
・(青インクを使うことで)黒ペンに比べて色のコントラストが和らぎ目に優しいので長時間見ても疲れない
→インクの消費をゲーム感覚に変える!指も目も疲れにくい。
デメリット
・ノートや紙の消費量が上がる(紙代がかかる)
・筆記そのものに時間がかかるので、視認で覚えられる能力のある人が筆記に切り替えるとかなりの時間ロスになる
・沼が広がっていてお金が足りなくなる
・鞄や服にインクが染みる事故が起きると色が落ちない
・指先が汚れることがある
→書くより見るほうが覚えられる人にはお勧めしない。汚れが気になる場合はカートリッジという選択肢もある。
まとめると
書いて覚えるタイプの人が青インク×万年筆になるともっと勉強が楽しくなる!
おすすめ万年筆
以下に現在私が勉強用に用いている万年筆とインクを紹介しようと思う。
選定基準を述べておくと、以下の2点に集約される。
・インク吸入の回数が少なくて済む(インク吸入によって勉強の手が止まるのが嫌)
・テンションの上がる青(真っ青〜レッドフラッシュの出る青が好み)
色味は紙の質にも左右されるので、紙の記事も後ほど書こうと思う。
パイロット カスタムヘリテイジ92(FKVH-15SRS-NC Fニブ) × パイロット ブルーブラック
一番おすすめの組み合わせ。堅実で勉強に集中できる。 |
中身が見える大容量タンクに純正ブルーブラックを合わせた組み合わせ。
普段の勉強に使用していて、気兼ねなく何にでも書きまくることができる。コストパフォーマンス最強の350 mLインクを使用しているので、インクのランニングコストが安い。
350 mLってこれくらい。ポン酢瓶くらいのサイズ感。 |
実際に使用するときは30 mL インクボトルに移している。 インク吸入ができなくなったら都度継ぎ足し。 |
パイロット キャップレスデシモ(Fニブ) × パイロット ブルー
ボールペンのように扱えるキャップレスの万年筆にコンバーターを取り付け、こちらもパイロットの純正ブルーを使用している。
個人的には、純正ブルーの350 mLがあれば迷わずそちらを選ぶくらい、パイロットの鮮やかな青色は好きなのだが、残念ながらブルーインクは30、70 mLのみのサイズ展開なのでそちらを使用。いつか出てくれないかな…切実に希望している。
ただ、30 mLサイズは、どの文房具店でも必ずあるので、その点安心感はある。
WANCHER クリスタルエメラルド(Jowo Stainless Steel Nib Plating Mニブ) × 神戸インク物語 摩耶ラピス
アイドロッパーとして使用しているため、この中で一番のインクタンクを誇る。
また、万年筆一本の購入に、たくさんの付属品ががついてきたので驚いた。
摩耶ラピスがお気に入りの色なので最初に入れたが、考え事などで少しペン先を出したままにしておくと乾くのか、書きはじめのカスレが気になる。ゆくゆくは他のインク(色彩雫など、しゃばしゃば系)も試してみたい。
WANCHERさんは大分の万年筆メーカーで、色彩豊かなボディのオリエンタルな魅力が特徴だと感じる。
他の万年筆を試せていないので、ニブや書き味の特徴について述べることはできないけれど、私が持っているJowo Stainless Steel Nib Plating Mニブに関してのみ言及するなら、パイロットのキャップレスのMニブにパイロットのインクを入れた時よりもかなり細い。パイロットのFニブより少し太い程度なので、ルーズリーフやノートの罫線にも書ける。(私は大体6、7ミリくらいの字が好みだけど、5ミリ程度でも多少潰れるものの視認はできた。)
キャップの中にネジが入っているようで(開けるときに力を感じる)、ほとんどインクが乾かず、1年近く寝かせていても、開けてすぐ書けるのにはびっくりした。
キャップのネジに少し軋みがある時があり、キュキュっと音がすることがたまにあるので、その音が苦手な人は現物確認をしてからの購入が良いかと思った。
一生に一本級の素敵な万年筆がたくさんあるので、ホームページを眺めるとすぐに時間が過ぎてしまうのが難点…!
職人さんが時間を掛けて手作りされているものも多く展開されていて、売り切れがちなので、出会えた時が買い時だと思う。
商品名の確認のためにメーカーへ連絡を取ってみたところ、残念ながら、こちらの商品は廃盤になってしまったそうだ。
私が確認した中では、楽天にまだ少し在庫がありそうなのでリンクを貼っておく。
その時にメーカーさんに類似品がないか尋ねたところ、アイドロッパーは現在生産していらっしゃらないが、回転吸入式の万年筆を紹介していただいた。(リンク先はメーカーさんのHP)
七宝万年筆はボディの重厚感とは裏腹に、天冠部分の七宝焼が煌びやかですごくおしゃれ。一方プロフィットレアロの方は、透明軸なのでインクタンクの確認が簡単とのことだった。
セーラープロフィット21金は私の手元にもあるが、あの筆記時のぬらぬら感にはひどい中毒性があって、知ると元に戻れないので購入の際は注意が必要だと思う…!
私の細切れな質問に対しても丁寧に対応していただき、大変ありがたかった。
ちなみに、パイロットの万年筆にセーラー系のインク(神戸インク物語など)は、経験上あまり相性が良くない。筆記始めにカスレが見られたり、細いニブだとつまりが起こる。おそらくパイロットのインクはかなりしゃばしゃばしているのに対して、セーラーのインクは粘度が高いことが理由ではないかと思われる。
私が今持っているこの万年筆でも同じ現象が起こっているのかもしれない。
パイロット カクノ(Fニブ) × セーラー 青墨(顔料インク)
顔料インクが詰まっても心とお財布のダメージを受けないよう、カクノを使っている。 ニブが完全に青く染まってしまっている。 |
カクノはお値段が手頃なのと軽量なので、ボールペン感覚で使用できるのが強みだと思う。
私の場合、「どうしても滲んでしまう紙」は無印良品の植林木ペーパー裏うつりしにくいノート5冊組。しかも一冊ごとに滲み方にムラがあるので、開けるまでわからない。
3冊使用したうち最初の1冊が当たってしまったので、この組み合わせで使用していた。残りの2冊はパイロットのブルーブラックでもあまり滲まず裏抜けも気にならないので、おみくじのようなものかもしれない。
表はこんな感じで、心なしか滲みも少ない。 5冊組の中にも個性がありそう。 |
パイロット キャップレス絣(Mニブ) × 色彩雫 冬将軍、朝顔
書き味がかなり滑らかでどばどばインクが出るので、頭の中をすっきりさせたい時に使用している。
アイデアをどんどん出すとか、そういう用途に向いている。
絣は限定品のようで、今店頭にあるかわからない。
下のリンクにはキャップレスマットブラックを紹介しておく。
紹介した商品の参考価格の一覧
万年筆
パイロット カスタムヘリテイジ92 15,000円
パイロット キャップレスデシモ 15,000円
パイロット キャップレス絣 20,000円
パイロット カクノ 1,000円
WANCHER クリスタルエメラルド 8,000円
インク(カッコ内は10 mLあたりの金額)
パイロット ブルーブラック 350 mL 1,500円(42.9円)
パイロット ブルー 30 mL 400円(133.3円)
パイロット ブルー 70 mL 1,000円(142.9円)
セーラー 青墨(新ボトル*1)50 mL 2,000円(400円)
神戸インク物語 摩耶ラピス 50 mL 1,980円(396円)
色彩雫 冬将軍(朝顔) 15 mL 2,100円*2(466.7円)
色彩雫 冬将軍(朝顔) 50 mL 1,500円(300円)
*1 このボトルは古いタイプで、現在はスタイリッシュな四角いボトルになっている。
価格計算は新ボトルで行っている。
*2 色彩雫の15 mLボトルは三色セットでの価格。10 mLあたりの金額は2100÷4.5として計算。
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