2022年版:ベランダコンポストのルーティーンまとめ
今年も暖かくなってきたのでコンポストを能動的に実施する。
簡単な手順なのでまとめる必要もなさそうだけど、来年の自分用にメモ。
準備物
去年までの堆肥(なくてもOK)
A 素焼き鉢(4〜5号) 4つ
A 素焼き鉢(3〜4号) 1つ
A スコップ(ヘッドが小さく柄が細いもの) 1つ
A 水差しもしくは霧吹き
B Green(詳細は下記)
C Brown(詳細は下記)
使用済みの土(日光に晒しながら乾燥させたもの。根っこ類は基本そのままでOKだが、取り回しに苦労しそうな場合は大きな根っこだけ燃えるゴミに出して使用。)
注釈
Aの品々について
全てダイソーで揃えたもの。水差しを使用しているので霧吹きはなし。
霧吹きを導入するかどうかは少し悩んでいる。タネの発芽までの水やりにちょうどいいかと思って…。
素焼き鉢は↓こういうもの。吸湿性・放湿性に優れていて、コンポストの微生物が酸素を使って呼吸をする(好気呼吸という)のを助けてくれるので、あまり臭くなりにくい。
庭の上に置いて動かさないならもっと大きな鉢でもいいけれど、置く場所がベランダなど重量制限があったり、腕力に自信のない人の場合は6号程度までに留めておくと取り回しがしやすいと思う。
B Green の準備
いわゆる生ゴミと呼ばれている類のもの。窒素の比率が高く分解されやすい。
私は茶殻、コーヒー殻、ハーブティー殻をメインに、私が調理した時の野菜くずの一部や少し痛んでしまった野菜なども投入している。
家族には強要しないことをマイルールとしているので、全ての生ゴミをコンポスト化はしていない。あくまでできるものだけ、使う分だけという認識で実践している。
①コーヒーを毎朝淹れるので、ドリップした後のコーヒーフィルターごとタッパーに乗せておき、茶殻やハーブ殻は直接コーヒーフィルターにストックしておく。1、2日間乾燥させる。乾燥手順はレンジでもいいし冷蔵庫でも構わないけど、別にすぐ腐るわけでもなく困らないのでキッチンに放ってある。
余談:レンジや冷蔵庫での乾燥はそれだけで庫内の消臭になる。レンジ乾燥の後の蒸気を軽く拭き上げるだけでも簡単な掃除になる。
トマトのヘタのような元々乾燥していて1、2日では腐らない野菜くずも、ここにぽいっと置いている。
②調理した時の野菜くずは、野菜を切った後その場で包丁を使って1cm角程度に切っておき、小さなナイロンに入れて冷凍する。バナナの皮はキッチンバサミで切ったり、そこは臨機応変に。痛んだプチトマトはそのまま冷凍している。
個人的に冷凍するのが肝かなと思う。生きたままの野菜くずを投入するのに比べて一度凍らせた状態で投入した方が分解が早いから、より小さなスペースで分解できる。
冷凍庫の中に狭くコンポスト用エリアを作っており、そこがいっぱいの時はゴミとして処分している(あまり多く冷凍すると人間の食べ物が保存できないので)。
ヘタ類は最低4分割、芯も細かく切っておくと分解されやすい。
半冷凍されているくらいのタイミングで塊をほぐしておくと量の調節が楽になる。
C Brown の準備
想像しやすいのは枯れ葉や枯れ木のイメージ。炭素の比率が高く単体では分解されにくい。
私は植物が枯れたもの、使用後の麻紐、たまにコーヒーフィルターを使用。
なくても堆肥化するとは思うのだけど、その後施肥する場合はあったほうが、原料に多様性が出ていいと思う。
田んぼや畑がある人なら、麦わらや稲藁をチップ状に砕いたもの(敷き藁として販売されているもの)や、籾殻でもOK。
ただし籾殻は炭素率がかなり高いので、堆肥化に数年かかると思っておいたほうがいい。
私はレモングラスの枯れ葉を冬の間の敷き藁にしてスナップエンドウなどを育て、育て終わった後に堆肥化するようにしている。
↑敷き藁として使った後堆肥化するときは、藁が少し長いので混ぜるときに土がぴょんぴょん跳ねるかもしれない。
最初から堆肥化にする場合、3 cm未満程度にカットしておくと混ぜやすい。
①栽培中の植物で出てくる下葉が枯れたものや、花のあとタネがなり始めるまで見届けて処分したい植物などを細かく(1cm〜3cm程度)切って乾かしておく。ここで面倒くさがって長いままだと取り回しに土が跳ねて苦労する。感触として、細かければ細かいほど分解速度は速くなる。
完全にタネをつけてしまったものは発芽するかもしれないけど、気にならないなら全部乾かして使用していいと思う。芽生えてもスコップで切りながら混ぜ込めば問題はない。
②今年はコーヒーフィルターも繊維に沿って細く割いてたまに混ぜ込んでみる。ちゃんと分解されるかな。
手順
1.空の素焼き鉢(4〜5号)に去年までの堆肥を1/4量程度まで入れる。堆肥がなければ代わりに使用済みの土を使用する。
2.Bを入れる。量はコーヒーフィルター1〜2人用すり切りくらいまでを目安に。コーヒーフィルターがない場合はなんとなく片手で持てそうなくらいの冷凍野菜くずとなんとなく片手で持てそうなくらいの茶殻類といった感じの量。はじめは土を慣らす(土中の微生物群の中から生ゴミの分解に優れた菌類を増やす)ためにも少なめがおすすめ。
3.Cがあれば入れる。湿度調整のつもりで使用しているので量の目安は湿度に合わせるが、おおよそ片手で持てそうなくらいの量にする。なければ使用済みの土を代用する。
4.全体をさっくり混ぜる。
5.上に使用済みの土を被せる。
6.半日〜数日寝かせる。
7.全体をさっくり混ぜる。発酵臭がする場合は水分が均等に行き渡るように心がける。水分が少なければ水を足す。
8.BとCを入れる。量は②③を目安に。
9.⑤〜⑧を繰り返す。
10.植木鉢がいっぱいになったら、かさが減るまで少し寝かせる。数日〜1週間程度。
11.かさが減ってきたら1日1回程度全体を切り返すように混ぜる。水分が少なければ水を足す。
12.発酵臭がなくなり、土の香りがしてきたら完成。腐熟度確認をする場合はこちらを参考に実施する。
13.堆肥として使用したい分だけ、素焼き鉢(3〜4号)に移動させて再度熟成させる。
実際は10で寝かせている間、2つ目〜4つ目の鉢に①〜⑨の手順でコンポストを続ける。
4つ目のコンポスト化をするときに1つ目のコンポストが堆肥化されてくるので、1つ目の鉢の土を最初の土にする。被せる土は堆肥と使用済みの土どちらでもいいし、両方使ってもいい。堆肥が余っていたら堆肥を使うし、使用済みの土がたくさんあったらそっちを使う。
鉢の周回については去年書いたこちらの記事で少し詳しく記載している。大体1ヶ月でベランダ菜園に程よい程度の堆肥が手に入る。
水分量について
いろんなサイトでいろんな書き方をされているが、おおよそ「水分はあるがしっとり程度に抑え、べちゃべちゃにはしない」を満たせればよいかなと思う。
私は触って確認するのが面倒なので「スコップで土を鉢の壁にギュッと押し付けた時にはある程度固まるが、その後軽くつつくとすぐ解ける」程度に調整している。
水分量が少ない時はBの野菜くずを多めにする(分解の過程で出てくるH2Oを期待)か、水を少し入れる。逆に多い時は全体をさっくり混ぜる工程で、さっくり混ざる程度まで乾かした使用済みの土を入れる。
発生・誘引しやすい虫とその対策について
前提として、ここに挙げる虫が何か悪さをしたということはなかった。どちらかというと分解が促進されてありがたいなと感じた。
ただし、一般的に虫の大量発生は困るという場合がほとんどだと思うので、対処法も記載しておく。
原因→増えがちな虫
→対処法
水分量が少なすぎる→ササラダニ(コナダニ)
→水分量を少し増やす。
水分量が多すぎる→ミズアブ
→乾いた土を混ぜ込む。幼虫が苦手な場合は鉢ごと袋に閉じ込めて放置して窒息死させてからまた堆肥化を進める。苦手でなければ見つけるたびに少しずつ取り出して捨てる。
混ぜなさすぎ・ほったらかしすぎ→キノコバエ
→混ぜれば減る。真夏になったら消える。梅雨前(GW頃)よく出会いがち。
B Green が多すぎる→ミズアブ、ギンバエの仲間、ショウジョウバエ
→使用済みの土としっかり混ぜて、上にも厚めに使用済みの土を敷く。
いずれも調整に慣れれば大量発生して困ることは少なくなる。しかし上記の対処法で虫を殺せるのは袋に閉じ込めて放置した場合だけ。他の方法では減少することはあっても殲滅することはないと思う。ベランダで実施する場合、ミズアブだけは殲滅したほうが精神衛生上楽。
トビムシはいつからかどの鉢にも出てきたので、これは避けられないかもしれない。
個人的には土の多様性の中に上記の虫たちも含まれていて、重要なのはそれぞれの虫・微生物たちがバランスをとりながら生育する土壌を作ることだと考えている。トビムシやササラダニ、キノコバエの幼虫が土の中を動き回ることで土の中に空隙ができるし、土からきのこが生えてくるのを防いでくれる。
殺虫剤を使うと、虫を食べてくれるクモやアリのような他の生き物も殺すことになるので、殺虫剤は使わない。
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